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栃木市箱森町内、荒川の流れ [栃木市の河川と橋]

国土地理院の2万5千分の1の地形図「栃木」の最新版は、平成25年8月1日発行になります。その前が平成15年2月1日ですから、その間10年間は更新が有りません。現在日本国土全域を網羅する、最大の縮尺で最も詳細な地形図は、この2万5千分の1の地形図になりますが、全国を4,419面でカバーしています。そして毎月40面以上の更新された地形図を発行しています。がそれでも全部の地形図を修正更新する為には、10年近い年月が必要になってしまうのも、仕方がない事です。
又、現地を確認測量をして紙地図として更新発行をした時点で、すでに現状が変わってしまう事は、カーナビを利用してドライブをしていると、いつの間にか道路を外れて田圃の中を走っているという経験で実感します。
栃木市内を歩いていても、同じような経験をする事が有ります。昔歩いていた街中の道を歩いていると、突然目の前に大きな川に前を阻まれました。これは数年前の経験だったのですが、私の記憶には無い川が新たに出来ていたのです。箱森町東部を流れる「荒川」です。
荒川橋1.jpg荒川橋2.jpg
(旧荒川、荒川橋下流側を撮影)       (旧荒川、荒川橋上流側を撮影)
以前の記憶では、ルート上に有るのは細い荒川で、そこに昭和7年7月竣工の小さな橋が架かっていて、その橋を渡って行くと、巴波川の雷電橋に至る筈でしたが、実際は細い荒川の手前にそれよりはるかに幅広の、それは巴波川よりも立派な川が現れたのです。
荒川橋3.jpg荒川橋4.jpg荒川橋5.jpg
(旧荒川に架かる、荒川橋)          (荒川橋の親柱、昭和七年七月と読める)
私はその光景を見た時、「え!この川は何。こんな大きな川、こんな所に流れていた!?」と、頭をひねりました。私の頭の中の地形図と、どうしても一致しないのです。
その時、家に帰って手元の地図を確認しても、地図の上にはそのような川は描かれていなかったのです。
その後その川に架けられている、「新原前橋」や「雷電前橋」のプレートを確認しました。その結果それらの橋の架橋年月は、どちらも2002年3月の日付に成っていました。
新原前橋1.jpg新原前橋2.jpg
(新しい荒川に架かる、新原前橋)
雷電前橋1.jpg雷電前橋2.jpg
(改修により川幅が広くなった、合流点近くの雷電前橋)
栃木環状線の「新荒川橋」は2001年8月の竣工ですが、この頃私は毎日車ここを通過して、宇都宮に通勤をしていたのですが、全く気付いていませんでした。
新荒川橋3.jpg新荒川橋2.jpg
(栃木環状線に架かる新荒川橋)
栃木環状線に架かる「新荒川橋」から下流の「新原前橋」の間、約180mの田圃を開削して、従来の旧荒川の西側をほぼ真直ぐに流れる、新しい荒川の河道を通し、更にその下流巴波川との合流点までの川幅を広げる河川改修が行われていたのでした。
荒川巴波川合流点1.jpg
(巴波川との合流点、左側の流れが荒川、右奥から流れてくるのが巴波川)
栃木総合運動公園内を流れる荒川の脇に、「一級河川 荒川」の表示板が建てられていますが、そこに「広域基幹河川改修事業の内容」が写真や図で説明されています。
荒川河川改修説明板.jpg
(栃木総合運動公園内に建つ荒川の河川改修を案内する説明板)
それに依りますと、改修事業の発端は、平成3年8月21日の台風12号の大雨により、浸水戸数620戸、浸水面積63ヘクタールという大きな被害が発生した。ことによると記されています。
元々「荒川」は西方町から都賀町・川原田町などの田園地帯を流れて、箱森町にて巴波川に合流する長さ約12kmの河川で、川幅がせまく曲がりくねっている事から、大雨のたびに川があふれ、周辺に被害を与えて来た川だったのです。
この河川改修の内容は、巴波川の合流点から上流川原田町の「北橋」(一級河川上流端)までの2kmの範囲になります。改修に要した期間は平成7年から平成19年の12年間でした。その内の箱森町内分(巴波川合流点から運動公園前「笹塚橋」の間)850mは重点整備区間については平成14年までに完成しました。

箱森町内の荒川の様子を、グーグル地図を参考に概略図を描いて見ました。
箱森町内の荒川の様子.jpg
(箱森町内を流れる荒川の様子)
栃木環状線の南側に、荒川の旧河川と改修により新たに開削された河道が有ります。又環状線の北側の荒川の右岸(西側堤防)には、荒川増水時に一時的に水を蓄える遊水地へ流すための越流堤が、設けられています。
荒川遊水地1.jpg
(荒川の西側に造られた遊水地、左側が荒川の越流堤)
荒川遊水地2.jpg荒川遊水地3.jpg
(遊水地に出来た池では、釣りをする人達も見かける事が出来ます。)
昨年9月に発生した台風に因る被害の状況などを見ると、今後もいざという時に備えて、河川改修は必要と思いました。

 
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