SSブログ

栃木・蔵の街かど映画祭で「路傍の石」を観賞 [祭]

今日と明日の2日間、9回目を迎える「栃木・蔵の街かど映画祭」が開催されています。
栃木・蔵の街かど映画祭4.jpg栃木・蔵の街かど映画祭3.jpg
(今年も上映会場となっている、中田蔵と旧関根邸)
昨年は、栃木高校講堂での「オープニングセレモニー」から出かけ、横山郷土館にて「しもつかれガール」、太田蔵にて「六人姉妹」などを観賞しました。
今日は11時から大田蔵にて上映された、山本有三原作の「路傍の石」を観賞して来ました。
栃木・蔵の街かど映画祭1.jpg栃木・蔵の街かど映画祭2.jpg
(今年の映画祭のパンフレットと、太田蔵の入口で手渡された上映プログラム)
「路傍の石」は、栃木市民であれば誰でも知っている、山本有三の代表的な小説で、「たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、ほんとうに生かさなかったら、人間生まれてきたかいがないじゃないか」と、主人公尋常小学校6年生の、愛川吾一に対して担任の次野先生が諭す言葉の一節は、栃木市内各所に、石碑に刻されて建てられています。
栃木・蔵の街かど映画祭8.jpg栃木・蔵の街かど映画祭7.jpg
(太平山謙信平の山本有三文学碑)    (旧県庁堀の南東角付近に建つ文学碑)
栃木・蔵の街かど映画祭9.jpg栃木・蔵の街かど映画祭10.jpg
(栃木駅北口広場に建つ山本有三文学碑)  (巴波川公園橋西橋詰の文学碑)
この小説「路傍の石」はこれまで4回、映画化されています。今回上映された映画は、パンフレットには1960年公開の、久松静児監督作品と出ていましたが、実際に上映されたものは、昭和13(1938)年公開の、日活製作 田坂具隆監督作品で、最初に映画化されたものでした。パンフレットには(下視ラ16mm)と記された作品がいくつか有りました。何の事か不明でしたが、会場にて説明が有った中に、「下都賀地区視聴覚ライブラリー協議会」と言う団体の所蔵フィルムと有りました。その団体の略称だと分かりました。
78年前に公開された作品という事で、想像は出来ましたが、古い16ミリフィルムでの上映の為、映像も音声もあまり良くありませんでしたが、それでもスクリーンに映し出される懐かしい栃木の街の風景が、随所に出てくるので、スクリーンから目が離せませんでした。
冒頭に巴波川沿い塚田邸の長い黒塀をバックに、主人公の吾一少年が架ける場面が写し出されます。その後に川に架かる木橋を渡るシーンが続きます。普通に考えると「幸来橋」となりますが、作品がつくられた頃は「幸来橋」はコンクリート橋に架け替えられています。次の場面でも吾一少年達が川に架かる小さな木の橋を渡る場面が有ります。周りの建物の様子から泉町の旧平柳河岸付近と思われます。ただ撮影が行われた数年前に、映画に出てくる橋の直ぐ上流側に、現在も残る「嘉右衛門橋」コンクリート橋が竣工しています。そうすると映画に映し出された橋は、撮影の為に架けられた「セット」だったのか、実際に当時有ったものなのか、色々と想像が広がります。
又、先の次野先生が吾一少年に話した「たったひとり・・・・・・」の一節の元になる、有名な「吾一が鉄道の鉄橋にぶら下がる事件」の撮影が行われたと云われる鉄橋が、現在「栃木市総合運動公園」西隣りに、旧栃木駅駅舎の北側に、一緒に移設保存されています。
栃木・蔵の街かど映画祭5.jpg栃木・蔵の街かど映画祭6.jpg
(現在移設保存されている旧栃木駅の駅舎)  (駅舎の北側に保存された両毛線の鉄橋)
今回の映画作品は、第一部・第二部の構成で、各60分と言う長いもので、16ミリフィルムが4リールになっています。その為2台の映写機を使用して交互に映写する方法で上映されましたが、途中で1台が止まるアクシデントが発生しました。何とか1台の映写機で無事上映が終了できました。
私も20代に栃木県立図書館で「16ミリ映写機取扱い講習」を受け、実際に映写会を行った経験が有りましたが、映写機へのフィルムのセットに手こずった事や、ランプが切れる不安を感じていた事が、フッと思い出されました。
結局今回は、「路傍の石」の作品だけでなく、その後に上映されたガッツ石松さん出演の「ガッツ親父とオサム」・「栃木市市制祝典実況」そして、昨年も見た「六人姉妹」の全ての上映作品を鑑賞させて頂きました。
入場無料で、栃木の懐かしい風景などを沢山見る事が出来、大満足の一日でした。

nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0