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岡田記念館(代官屋敷)の翁島別邸を巡る [建物]

栃木市嘉右衛門町の地名ともなっている、岡田嘉右衛門家は、現在の当主が26代という、栃木市屈指の旧家です。旧日光例幣使街道の栃木宿の北の木戸外に位置し、街道に面した屋敷は畠山氏の陣屋が設けられ、代官職も代行しました。この街道沿いの屋敷は現在「代官屋敷 岡田記念館」として公開されています。
岡田記念館1.jpg
(旧日光例幣使街道に面する、岡田記念館。手前右が入口となる大門)

昭和53年(1978)6月1日から9月30日までの4ヶ月間、東京を中心として社団法人栃木県観光協会が主体となり展開された、「栃木の旅」特別キャンペーン「やすらぎの栃木路」に合わせて、岡田氏が所有する土蔵三棟を「岡田記念館」として、栃木市内の民間施設として初めて開館しました。
翁島別邸もこの時一緒に公開されました。その時私も初めて記念館と翁島別邸の中に入りました。
理髪店外観1.jpg理髪店内1.jpg
(傷みの有った外観が修復された「理髪館」)   (明治時代から営業された理髪店内)

今回38年ぶりに訪れましたが、記念館の方は明治時代からの理髪店跡なども公開され、更に充実していた為予想以上に見学時間が長くなってしまいました。
翁島入口.jpg
(翁島別邸入口の門)
翁島別邸主屋.jpg
(国登録有形文化財となっている翁島別邸)
記念館から少し離れた巴波川左岸の翁島別邸の見学は、他の6名の方達と一緒に説明を聞いて巡りました。説明された女性の流暢な話。一人でただ見て回ったら気付く事の無い建物の細かい説明を丁寧にして下さいました。
翁島別邸内1.jpg翁島別邸内2.jpg
(一階座敷内の様子)
翁島別邸内3.jpg翁島別邸内4.jpg
(二階座敷内の様子)
長さ六間半、幅三尺、厚さ一寸と言う檜1枚で出来ている廊下。この廊下の材料の値段だけで家一軒が建つと言います。吉野杉の絞り磨丸太の床柱。紅葉の玉杢の床板。紫檀の違い棚。障子の桟の角も丸めて有る等、細かい所にも職人の技が多く使われ驚くばかりです。
翁島1.jpg翁島2.jpg
(襖の引き手金具の七宝焼き)      (照明器具の竹あかり)
多くの説明を聞いても感心をしながらも、凄いものだと分かるだけで、一つ一つの事は記憶に残念ながら留まってくれませんでした。
ひととおり家の中を見学した後は、外に出て庭を散策してみました。この翁島別邸の主屋と裏手に建つ土蔵は、国登録有形文化財となっています。
翁島別邸南面.jpgギアマンガラス越しの庭園.jpg
(庭に面する場所は一面「ぎやまん」のガラス戸がはめられています。)

主屋は、瓦葺で大正13年に第22代当主が、70歳を迎えた折り別荘建築を発起、隠居所として建てられました。L字型平面で一部が2階建てになっています。桟瓦葺です。
庭の中央に大きな池が造られ、以前は屋敷の南側を流れる巴波川から水を取り込めるようになっていましたが、その為に昨年9月の台風に依る大雨による巴波川の増水で、翁島全体も浸水してしまい、池で飼っていた多くの錦鯉を失ってしまったとの事です。
翁島庭園の池.jpg
(緑の木々に包まれた庭の中央に造られた池。)
翁島庭園竹林.jpg
(真直ぐに天を突く竹林を見ると、気持ちもスッと真直ぐに)
又入口北側の茶室は床上まで浸水した為、畳を全て交換する被害だったそうです、幸い文化財の建物は高床になっていた為、被害は少なかったと言う事です。
池に架かった石橋を渡り緑に囲まれた空間に身を置くと、自然と気持ちが穏やかになるのを感じます。庭の南西側には立派な竹林が見られました。
今回久しぶりに、翁島の中を見学させてもらいましたが、翁島周辺は私の散歩エリアーですから、四季を通じて巴波川の対岸から翁島を眺めています。翁島周辺全体が今も風情のある景色を見せてくれています。
翁島竹林と沖の橋.jpg
(巴波川対岸に翁島の竹林を望む。奥の橋は上流側の「沖の橋」です。)
翁島と巴波川.jpg
(翁島の南側で大きくカーブする巴波川。奥の橋は下流側の「嘉右衛門橋」です。)
翁島東側路地.jpg
(翁島入口前で北に折れる細い路地は、嘉右衛門町通りの西側を並行に走る)
翁島北側路地.jpg
(翁島の北側を通る路地。左側、細い川を挟んで茶室が見えます。)
岡田記念館&翁島概略地図1.jpg
(岡田記念館と翁島別邸の概略地図)




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