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上空からの本州四国連絡橋 [橋梁]

先月、北九州空港から羽田へ向かう飛行機の窓から、ひたすら眼下に見える風景を眺めていると、雲の切れ間から瀬戸内海の島々が現れては又、雲の陰に消えていきます。
昨年は、羽田から福岡空港への途中、富士山の姿を窓越しに見る事が出来たので、今回は逆ルートで又、富士山を観られればと計画しましたが、天気予報的には期待できない雲行きでした。
富士山.jpg
(飛行機の窓越しに望む富士山、昨年1月撮影)

飛行機には滅多に乗ることが有りませんが、新婚旅行で北海道に行った帰り、眼下に現れた風景が、まさに日本地図を見ている様で、真っ青な海に緑の山並み、ハッキリと東北の海岸線が見えたときの感激は、今も忘れられません。
そんな気持ちで、ずっと移り変わる雲の行方を追っている内に、島から島へ延びる一筋の線を発見しました。急いでカメラのレンズをズームアップして見る。間違いなく本州四国連絡ルートのひとつ、しまなみ海道の超大吊橋群を捕らえました。
来島海峡大橋.jpg
(瀬戸内しまなみ海道の「来島海峡大橋」、手前が四国側今治市)

「瀬戸内しまなみ海道」は、本州側「広島県尾道市」と、四国側「愛媛県今治市」を、大小七つの橋で結んだ全長約60kmの自動車専用道路ですが、雲の切れ間から姿を現したのは、その一番四国側に当たる、「来島海峡大橋」です。写真手前(下)が四国側に成ります。
写真には連続して三つの吊り橋が写っていますが、手前から「来島海峡第三大橋」(橋長1,570m)、「来島海峡第二大橋」(橋長1,515m)、「来島海峡第一大橋」(橋長960m)で、合わせて「来島海峡大橋」です。

そこから4分程経つと再び雲の切れ間から新たな吊り橋の姿が見えてきました。
瀬戸大橋.jpg
(本州四国連絡橋、児島・坂出ルートの「北備讃瀬戸大橋」)

本州四国連絡橋の3ルートの中で、一番最初に開通した岡山県倉敷市と香川県坂出市とを結ぶ、「児島・坂出ルート」となる「瀬戸大橋」で、ルート上には6橋が架けられていますが、私の視界に現れたのはその中で、四国坂出側の「南備讃瀬戸大橋」(橋長1,648m)と「北備讃瀬戸大橋」(橋長1,538m)です。南側は半分雲に隠れて来ていました。

橋影が視界から消えた後6分程で、今度は神戸市と淡路市とを結ぶ「明石海峡大橋」(全長3,911m)が、眼下に姿を現しました。
明石海峡大橋.jpg
(神戸市と淡路市とを結ぶ、「明石海峡大橋」、主塔の高さは海面上約300mにも)

吊橋の規模を示す中央支間長(塔と塔の間の距離)は1,991mで現在世界第一位に成っています。
考えてもいなかった「本州四国連絡橋」3ルートの橋の一部ですが、上空から見る事が出来てラッキーでした。
今回の旅行の一つの目的は、北九州市の「若戸大橋」を見る事でした。

若戸大橋.jpg
(北九州市の洞海湾に架かる「若戸大橋」。日本で最初の長大橋)

幸い「若戸大橋」を訪れた時は、季節外れの雨が上がった後で、朱色の橋が夕焼けを浴びて、黒い雨雲をバックに浮かび上がって見えました。
「若戸大橋」は北九州市の洞海湾に架かる、若松区と戸畑区を結ぶ橋長が627mの吊り橋で、着工は昭和33年(1958)、開通したのは昭和37年(1962)9月27日、この橋は日本での長大橋のさきがけで、建設当時は東洋一の吊橋でした。
現在で、日本国内には更に大きく長い、多くの長大橋が、架橋されています。

吊橋で、世界的に有名なものは、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコの、「ゴールデン・ゲート・ブリッジ(金門橋)」だと思いますが、私は40年程前に訪れ、その壮大な姿を写真に収めました。
ゴールデンゲートブリッジ1.jpgゴールデンゲートブリッジ2.jpg
(南橋詰より)                    (北橋詰より)

私にとってこの時が初めての海外、それも一人旅でした。ですからサンフランシスコ空港に到着した時、「タクシーはこちらへ」と促され、そこにはリムジンが止まっていて、ホテルまで向かいました。親切な運転士に相応なチップを渡しましたが、あとで考えると、私は白タクの餌食に成ってしまったようです。それでも無事にホテルにたどり着きました。翌日早速今回の旅の一番の目的地「ゴールデンゲートブリッジ」へ。まずホテルの前からタクシーに乗って南側(サンフランシスコ市側)から橋を渡り、北側橋詰に有る展望台へ。しかし、逆光でシルエット状にしか見えない、数枚写真を撮って、すぐに南側橋詰に戻って貰い、タクシーを降りました。必要以上の金銭を財布に入れていなかったので残金が僅かに。仕方なくそこからブラブラとサンフランシスコ湾の波打ち際を歩いて、もう一つの吊り橋「ベイブリッジ」に移動しました。

ベイブリッジ.jpg
(サンフランシスコ市とオークランド市とを結ぶ「ベイブリッジ」)

現在、世界最長の吊り橋は、今回私が上空からわずか1分間程ですが、雲の切れ間から眺めた、1998年完成の「明石海峡大橋」(中央支間長1,991m)、に成ります。2位が1981年完成したイギリスの「ハンバー橋」(中央支間長1,410m)、3位が1964年完成アメリカニューヨークの「ベラザノ・ナロウズ橋」(中央支間長1,298m)、そして4位が1937年完成の「ゴールデンゲート橋」(中央支間長1,280m)、となています。記録はどんどん破られていっています。

今度は是非、現在世界一位と言う「明石海峡大橋」を近くで眺め、渡ってみたいと思います。

※参考資料:「橋のはなし Ⅰ」吉田巌編(技報堂出版)、編者は「本州四国連絡橋公団の理事をされていました。この書籍は吊橋の事が詳しく解説されています。
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