栃木市薗部浄水場を見学してきました。 [建物]
先日、栃木市の市街地家庭に生活用水を供給している、薗部浄水場を見学してきました。普段はなかなか見る事が出来ない施設の為、とても良い経験でした。
旧栃木市の水道事業が創設されたのは、今から丁度60年前、昭和38年12月28日との事。
栃木市内では、その前の年に平井町簡易水道事業により、太平山に水道が引かれています。が、市内では「少し掘ると美味しい水を得ることが出来る。」と言われていました。
しかし実態は、その当時市内を流れる巴波川などは、生活排水等が流入し、汚染が進行して周辺の井戸水は飲料に適さない水質になって来ていた時期でした。
<1967年巴波川の川面に出来た模様。汚れた川が作ったアートとして撮影しました。>
実際に上水道工事が開始されたのは昭和39年度からで、四ヵ年継続、総工費は2億4,100万円となっていました。
私は丁度その頃、永野川に架かる上人橋を渡って、栃木工業高校に通学をしていました。その当時は私の通学路の直ぐ脇で、このような浄水場の建設が始まっていたのは、全く知りませんでした。
昭和41年(1966)頃に錦着山の山頂から永野川の上人橋を撮影した写真を見ると、浄水場の姿は有りません。が、細かく見ていくと、現在の浄水場の建つ場所付近に、何やら工事をしている様子が写っていました。
<1966年に撮影しました。現在住宅地となっている巴波川右岸も、水道山も、まだ何も無い状態でした。>
別の角度から撮影した写真には、その当時の浄水場の建物や、何と今回見学で見る事が出来た、第一水源の取水ポンプ配管が、露出して写っている写真も有りました。もちろんこれらの写真を撮影した時は、何を建てているのか、知るわけも有りませんでしたが、偶然です。
<同じく1966年撮影。錦着山をバックに浄水場の建物が手前に写っていました。>
<上と同じ日に撮影。上人橋の左岸橋詰より、浄水場の建物を写す。建物の手前に取水ポンプの配管が見えます。>
<今回見学会で案内された、薗部浄水場の第一水源の室内と建屋外観>
薗部浄水場の水源は、現在5ヶ所有るそうで、浄水場敷地内の第一水源の建屋内の取水ポンプ配管を見る事が出来ました。直径5m厚さ50cm、高さ12mの鉄筋コンクリート管を地中に埋め、2台の取水ポンプで自動取水しています。薗部浄水場の水源は10mという浅井戸方式との事。
周辺には、他の水源施設が見られます。
<錦着山の北側、田んぼの中の第4水源と、赤津川左岸皆川街道脇の第5水源施設。>
2018年10月に、錦着山上から同様に、永野川の上人橋を撮影した写真が有りました。1966年の写真と同一場所からでは無いので、少しアングルが異なりますが、周辺の状況を見ると、大きく様変わりしている事が分かります。約50年間の時代の変化を改めて実感できます。
<上人橋は広く新しくなっています。1974年に架けられ、その後下流側に有った旧橋も撤去されました。>
永野川右岸に有った栃木市営の流水プールも、とうに閉鎖して今は住宅地となっています。その西側の山の上に大きな円筒のタンクが2基写っています。薗部浄水場の「配水池」です。
浄水場にて殺菌消毒をされた水は、送水ポンプにてこの配水池に送られます。その送水管は浄水場の「浄水池」から永野川の河床下を通って送られているそうです。
<原水を殺菌消毒する為の「薬品タンク」、殺菌消毒された水道水を貯水する「浄水池」>
<浄水池の北隣、浄水場管理棟内で、防水扉の有る室内に設置されている「陸上型送水ポンプ」>
<浄水池の水中に設置された、「水中型送水ポンプ」。写真奥の山上に「配水池」が見えます。>
写真の様に、薗部浄水場には地上に設置して、配水池まで水道水を送り出す「陸上型送水ポンプ」と、水中に設置して送水する「水中型送水ポンプ」をそれぞれ2基設置されています。
これは、万一の場合でも、支障が出ない様にしている為で、それは水源の「取水ポンプ」も先程の「薬品タンク」も「浄化池」も、そのほとんどの施設が、並列運転をされているそうです。
なんとその送水管の口径は70cm、送水能力は毎時400トン。配水池には7,000トンの水道水が配水前に貯水され、標高の高い山上に設置された配水池により、自然流下方式で、その重力によりポンプを使用しないで配水しています。ただし、自然流下方式では配水できない標高の高い地域には、「増圧ポンプ」で圧力を加えて送り出す施設を、それらの地域には設置されています。
<「配水池」を近くで見ると、その大きさを実感できます。>
ここに蓄えられた水道水が、私たちの家庭に送られています。
平成の大合併により、1市5町が一緒になった新生栃木市では、平成26年12月1日に、新しい「栃木市水道事業」を創設(計画給水人口:145,500人。計画一日最大給水量:70,700㎥)しています。
現在、栃木市内の水道施設は、下記の状況になっています。
①水源(取水施設)・・・・・・・・・・・56箇所
②浄水場(浄水施設)・・・・・・・・・・18箇所
③配水場(配水施設)・・・・・・・・・・・9箇所
④増圧ポンプ場(配水施設)・・・・・・・14箇所
⑤水道管路(配水施設)・・・・1,196.7km
そして、栃木市上下水道局庁舎本館にある、中央監視室に置いて、市内18箇所の浄水場全ての情報を確認出来る様になっているそうです。
<中央監視室内には、多くのモニター画面が切り替えて確認出来る様になっているそうです。>
私達も、もっと水を大切に利用して行かなければと、感じました。
※今回の参考資料:見学会に際して配布された、栃木市上下水道局作成の資料になります。
添付写真は全て私自身の撮影によるものです。
旧栃木市の水道事業が創設されたのは、今から丁度60年前、昭和38年12月28日との事。
栃木市内では、その前の年に平井町簡易水道事業により、太平山に水道が引かれています。が、市内では「少し掘ると美味しい水を得ることが出来る。」と言われていました。
しかし実態は、その当時市内を流れる巴波川などは、生活排水等が流入し、汚染が進行して周辺の井戸水は飲料に適さない水質になって来ていた時期でした。
<1967年巴波川の川面に出来た模様。汚れた川が作ったアートとして撮影しました。>
実際に上水道工事が開始されたのは昭和39年度からで、四ヵ年継続、総工費は2億4,100万円となっていました。
私は丁度その頃、永野川に架かる上人橋を渡って、栃木工業高校に通学をしていました。その当時は私の通学路の直ぐ脇で、このような浄水場の建設が始まっていたのは、全く知りませんでした。
昭和41年(1966)頃に錦着山の山頂から永野川の上人橋を撮影した写真を見ると、浄水場の姿は有りません。が、細かく見ていくと、現在の浄水場の建つ場所付近に、何やら工事をしている様子が写っていました。
<1966年に撮影しました。現在住宅地となっている巴波川右岸も、水道山も、まだ何も無い状態でした。>
別の角度から撮影した写真には、その当時の浄水場の建物や、何と今回見学で見る事が出来た、第一水源の取水ポンプ配管が、露出して写っている写真も有りました。もちろんこれらの写真を撮影した時は、何を建てているのか、知るわけも有りませんでしたが、偶然です。
<同じく1966年撮影。錦着山をバックに浄水場の建物が手前に写っていました。>
<上と同じ日に撮影。上人橋の左岸橋詰より、浄水場の建物を写す。建物の手前に取水ポンプの配管が見えます。>
<今回見学会で案内された、薗部浄水場の第一水源の室内と建屋外観>
薗部浄水場の水源は、現在5ヶ所有るそうで、浄水場敷地内の第一水源の建屋内の取水ポンプ配管を見る事が出来ました。直径5m厚さ50cm、高さ12mの鉄筋コンクリート管を地中に埋め、2台の取水ポンプで自動取水しています。薗部浄水場の水源は10mという浅井戸方式との事。
周辺には、他の水源施設が見られます。
<錦着山の北側、田んぼの中の第4水源と、赤津川左岸皆川街道脇の第5水源施設。>
2018年10月に、錦着山上から同様に、永野川の上人橋を撮影した写真が有りました。1966年の写真と同一場所からでは無いので、少しアングルが異なりますが、周辺の状況を見ると、大きく様変わりしている事が分かります。約50年間の時代の変化を改めて実感できます。
<上人橋は広く新しくなっています。1974年に架けられ、その後下流側に有った旧橋も撤去されました。>
永野川右岸に有った栃木市営の流水プールも、とうに閉鎖して今は住宅地となっています。その西側の山の上に大きな円筒のタンクが2基写っています。薗部浄水場の「配水池」です。
浄水場にて殺菌消毒をされた水は、送水ポンプにてこの配水池に送られます。その送水管は浄水場の「浄水池」から永野川の河床下を通って送られているそうです。
<原水を殺菌消毒する為の「薬品タンク」、殺菌消毒された水道水を貯水する「浄水池」>
<浄水池の北隣、浄水場管理棟内で、防水扉の有る室内に設置されている「陸上型送水ポンプ」>
<浄水池の水中に設置された、「水中型送水ポンプ」。写真奥の山上に「配水池」が見えます。>
写真の様に、薗部浄水場には地上に設置して、配水池まで水道水を送り出す「陸上型送水ポンプ」と、水中に設置して送水する「水中型送水ポンプ」をそれぞれ2基設置されています。
これは、万一の場合でも、支障が出ない様にしている為で、それは水源の「取水ポンプ」も先程の「薬品タンク」も「浄化池」も、そのほとんどの施設が、並列運転をされているそうです。
なんとその送水管の口径は70cm、送水能力は毎時400トン。配水池には7,000トンの水道水が配水前に貯水され、標高の高い山上に設置された配水池により、自然流下方式で、その重力によりポンプを使用しないで配水しています。ただし、自然流下方式では配水できない標高の高い地域には、「増圧ポンプ」で圧力を加えて送り出す施設を、それらの地域には設置されています。
<「配水池」を近くで見ると、その大きさを実感できます。>
ここに蓄えられた水道水が、私たちの家庭に送られています。
平成の大合併により、1市5町が一緒になった新生栃木市では、平成26年12月1日に、新しい「栃木市水道事業」を創設(計画給水人口:145,500人。計画一日最大給水量:70,700㎥)しています。
現在、栃木市内の水道施設は、下記の状況になっています。
①水源(取水施設)・・・・・・・・・・・56箇所
②浄水場(浄水施設)・・・・・・・・・・18箇所
③配水場(配水施設)・・・・・・・・・・・9箇所
④増圧ポンプ場(配水施設)・・・・・・・14箇所
⑤水道管路(配水施設)・・・・1,196.7km
そして、栃木市上下水道局庁舎本館にある、中央監視室に置いて、市内18箇所の浄水場全ての情報を確認出来る様になっているそうです。
<中央監視室内には、多くのモニター画面が切り替えて確認出来る様になっているそうです。>
私達も、もっと水を大切に利用して行かなければと、感じました。
※今回の参考資料:見学会に際して配布された、栃木市上下水道局作成の資料になります。
添付写真は全て私自身の撮影によるものです。
2023-06-07 15:44
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