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栃木市嘉右衛門町、鬼瓦見て歩き [歩く]

最近は、栃木市内を歩いている時、古そうな土蔵や石蔵に遭遇すると、どうしても屋根の上に目が行きます。その先に有るものは「鬼瓦」ですが、興味が有るのはその鬼瓦に記された「文字」や「形」です。
「鬼瓦」にはその名前の通りに「鬼面」を配している物が有りますが、実際「鬼面」を使っている物はそれほど多くは有りません。
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(旭町、定願寺鐘楼の屋根の鬼瓦)      (嘉右衛門町に有る古い土蔵の鬼瓦)
多くは「家紋」や「屋号紋」を付けた鬼瓦に成ります。但し最近の瓦屋根の「鬼瓦」は無地の物が殆んどです。
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(新しい鬼瓦、中央部分は無地)    (古い鬼瓦、何かの都合で中央部を塗り潰したものか)
ですから、「屋号紋」が付いている鬼瓦を見付けると嬉しくなります。
「屋号紋」は現在あまり見なくなりましたが、明治40年10月1日に発行された、「栃木県営業便覧」を見てみると、栃木町に名前を連ねている多くの商店が「屋号紋」を載せています。
その数を確認してみると、なんと265店舗も有りました。
「屋号紋」には幾つかのグループが有りますが、栃木町で一番多く見られたのは「尒」の様に頭に「山形」を載せた紋で、「山に小」の屋号紋は6店舗見られました。同じく「山にト」が6店舗、「山に木」5店舗、「山に大」4店舗などと成っています。この「ヤマガタ」には、≪商売が山の様に隆盛してほしい≫と言う思いが込められている様です。
嘉右衛門町にある江戸、天明年間創業の老舗「油伝味噌」店の鬼瓦に付けられた商標は≪山に十一≫です、読み方は「やまといち」と読むと同店の案内書に記されています。即ち「大和一」という事に成ります。
屋号紋1.jpg屋号紋5.jpg
(油伝味噌店の店頭)   (建物北側路地脇に造られた古い鬼瓦等を利用したモニュメント)
この「山」を使った紋で有名なものは、以前聞いた話ですが明治8年(1875)8月創業、古河機械金属株式会社の社章と成っている「山に一」の紋です。この紋の読み方は「やまひとすじ」という事で創業者古河市兵衛氏の「山一筋」の思いが込められていると言います。

二番目に多いのが「┓」矩尺(カネジャク)紋で、64店舗を確認しました。その中で「小」に矩尺を付けたものが6店舗有りました。他に「正」や「中」の文字に矩尺を配したものが3店舗づつなどです。矩尺の意味は、直線・直角の形から、≪商売が真直ぐ、真っ正直≫という事と、矩尺(カネジャク)のカネを「金」に掛けているとも言われます。
三番目が「〇」(マル)を使ったもの、萬の文字を丸で囲った「丸萬」などが直ぐ頭に浮かんできますが、39店舗有りました。
他に「入り山形」の紋が18店舗、「出山形」の紋が7店舗、丸では無く四角で囲んだ紋が6店舗。住友生命や住友林業などの住友グループで使われている井桁の紋を配したものが10店舗数えました。
その他にもキッコウマンで知られる六角形の亀甲紋とか、ヒゲタ醤油のひげ紋などが有りますが、これらは栃木町では認められませんでした。

それでは、今回は嘉右衛門町を歩いて見つけた屋号紋などの入った鬼瓦を紹介します。
屋号紋6.jpg屋号紋7.jpg
(丸に正の文字が入っている)           (丸に近の文字が入っている)
屋号紋8.jpg屋号紋9.jpg
(何と読むのか?神明神社社務所)       (丸に中の文字が入っている)
屋号紋10.jpg屋号紋11.jpg
(矩尺に太の文字)               (山形に縦の太線2本、介と呼んでいいのか?)
何処に有るのかは、皆さんも歩いて見つけてみて下さい。

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