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久しぶりに栃木県立美術館を訪れて

先日、約40年ぶりに成るでしょうか、栃木県立美術館を訪れました。
栃木県立美術館1.jpg
(40年ぶりの美術館は小雨の中、訪れました。)

目的は、現在開催されている、小山市出身の彫刻家、小口一郎展を鑑賞する為でした。
小口一郎に関しては、全く知りませんでしたが、その作品の一つに見覚えが有りました。
「谷中村事件 ある野人の記録 田中正造伝」著者:大鹿 卓、発行所:㈱新泉社、この書籍の表紙やカバーに有る版画が、この小口一郎の作品だったのです。
今回の作品展の副題が、「二つの栃木」の架け橋。足尾鉱毒事件を描く。となっており、その舞台となった渡良瀬遊水地の地元の栃木市民としては、是非その内容を見たかったからです。

この栃木県立美術館が開館したのが、昭和47年(1972)でしたが、私が20歳半ばで、その頃は年に1・2回は訪れていました。
栃木県立美術館(1974年).jpg栃木県立美術館屋外展示作品(1974年).jpg
(1947年6月に訪れた時撮影した、栃木県立美術館)

記憶に残るのは、昭和49年(1974)夏に開催された、「青木繁・福田たねのロマン展」その中で青木繁の絶筆となった「朝日」という作品の前で、しばらく立ち止まった印象深いものが有りました。
外には、「濱田庄司 目と手 展」や「古川龍生展」等々、鑑賞していましたが、30歳を過ぎてすっかり足が遠のきました。

32歳の年、仕事の都合でアメリカに出張した際、テキサス州のホートワースの美術館を訪れました。そこで、栃木県立美術館で見たブロンズ像と同じ作品を目にしました。それまで気にしていませんでしたが、今回改めて調べてみると、栃木県立美術館のホームページのコレクション紹介に出ていました。
そのブロンズ像は、ロダンの弟子でもあったフランスの彫刻家「ブールデル、エミール=アントワーヌ」の作品「ペネロペ」でした。
「ブールデル」の代表作は、「弓をひくヘラクレス」ですが、日本では上野の国立西洋美術館前の広場で見たことが有ります。
栃木県立美術館屋外展示作品2.jpg「弓をひくヘラクレス」像.jpg
(栃木県立美術館のブールデル作「ペネロペ」と、国立西洋美術館前広場の「弓をひくヘラクレス」像)

その上野の西洋美術館前の広場で、「ブールデル」の師でもあった「オーギュスト・ロダン」の作品「考える人」や「地獄の門」・「カレーの市民」なども見ています。
国立西洋美術館前「考える人」.jpg国立西洋美術館前「地獄門」.jpg
「カレーの市民」像.jpg
(上野国立西洋美術館前広場に展示されているロダンの作品。「考える人」「地獄の門」「カレーの市民」の像)

ロダン作「考える人」は、京都国立博物館の明治古都館の前方にも展示されています。が、このような世界的著名な作家の作品は、どんなルールで管理されているのか疑問になります。
京都国立博物館前「考える人」.jpg
(京都国立博物館の明治古都館の正面前方に展示されている、ロダン作「考える人」)

絵画の場合、本物か贋作かと言う判断に成りますが、ブロンズ像の様な作品は、本物とか贋作とかやはりあるのでしょうか。

今回、栃木県立美術館を久しぶりに訪れ、今まで気にしていなかったことに、興味が湧いてきました。
今の世の中、インターネットで検索すれば、すぐに回答が得られるでしょうから。

今回鑑賞した「小口一郎展」の内容には、そのボリュームに驚きました。展示は四つの部門に分かれていて、第一章は「画家・小口一郎」と題して、第二章から第四章の、足尾鉱毒事件を描いた連作版画3部作の作品以外を紹介しています。
そして、第二章「野に叫ぶ人々」、第三章「鉱毒に追われて」、第四章「盤圧に耐えて」と続きます。
作品を鑑賞するに、彫刻の画面と合わせて、その背景となる説明文に、一点一点読み進めると、まるで小説「足尾鉱毒事件」がそこに有り、とても全てを鑑賞出来そうも無く、途中から作品に添えられた文は飛ばして、版画作品だけの鑑賞に変えました。それほど展示作品が多かったのです。

帰る頃には、雨もやみ青空も覗いていました。近くの公園の梅の木も花をつけていました。
40年前公園の巻貝型の滑り台で子供達が遊んでいたのを、写真に収めました。今ではそのような撮影は、出来なくなりました。
美術館横の公園遊具.jpg
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